きつ音であることを隠す努力を続けることの悪循環
きつ音者本人が一番つらいのは、外側にあらわれる言葉の詰まりではありません。
言葉に詰まってしまうことが「悪いこと」と思いこんでいることです。
とうぜん、どもりたくない、言葉を詰まらせたくない、他人に自分がきつ音であることを知られたくない。
そんな思いが、話す前から「詰まるかも・・」と不安を生み出します。その不安が、きつ音者に言葉のテクニック、隠す努力を使わせるのです。
隠す努力は
「えっと」などを使う挿入
言いやすい前置きをつける助走
言葉の順番を入れ替える置き換え
腕を振るなどの随伴症状
言うのをやめてしまう中止
話す場面から逃げ出す回避
があります。
それでも言葉が詰まってしまい、劣等感から気分が落ち込みます。そして、しなくていい反省を一生懸命するのです。
その結果、どもることは悪いことと、さらに思うようになってしまいます。
きつ音者は自分が言葉に詰まったときの対応策をあまり考えていません。
たとえ言葉に詰まっても、嫌なことを言われても冷静でいられるよう、頭の中で対応策を考えておきましょう。
■きつ音のある大人の4割が社交不安障害(対人恐怖症)に陥る■
きつ音で嫌な思いをしていると、だんだん人前で話すことが怖くなったり、会話をすることが不安になることがあります。
結果、「それなら、いっそのこと人と話さないようにしよう・・・」となったら注意が必要です。
きつ音のある大人の4割が、社交不安障害(以前は対人恐怖症と呼ばれていました)に陥ると報告されています。
■随伴症状について■
幼児の随伴症状(体をよじる等)は、家族を含めたあらゆる人間関係といった環境を変えることで消えることがあります。無理にやめさせる必要はありません。これを環境調整といいます。
大人で随伴症状が多い人は、行動は意識してやめることが可能です。